【足と靴と靴下の相談室】に行ってみました。
『足と靴と靴下の相談室』は、コンフォートサポートソックス(CSソックス)の開発者である松藤文男先生を顧問とし、松藤先生の弟子である青山政利先生が相談室長を務められています。松藤式フットケアの、研究開発拠点である、西のファイブコンフォートに対し、東のCSソックス普及拠点が、東京は湯島にある、こちらの相談室なのだそうです。
場所は、文京区湯島の住宅街の中、サッカーミュージアムや神田明神、湯島天神からもほど近い、静かなビルの二階にあります。電車、地下鉄は、御茶ノ水、湯島、末広町が最寄駅ですが、どの駅からも、歩いて十分以上かかり、アップダウンのあるルートなので、足に痛みがある人は、気をつけて下さいね。
さて、私がこの相談室と足の悩み全般の無料相談を知ったのは、今春でした。そして、よくよく調べてみると、無料なのは、2015年の4月いっぱいまでで終了、となっているではありませんか!どうせなら無料の方が良いと思いますよね。善は急げ、で、さっそく相談の予約をしてみました。予約はネットか電話で簡単にできます。相談は、月曜日、火曜日、木曜日の週3日。9:30~16:30(17:30相談終了。お昼には一時間の休憩有り。)の一時間刻みです。基本的に青山先生の担当ですが、ひと月に一度は、顧問である松藤先生の担当日があるそうです。
私は、青山先生の担当日にネットで予約を入れました。すぐに返信があり、予約確定。相談室のホームページには、アクセスのための、写真入りの案内図が載っていますので、当日は迷うことなくたどり着けました。ただし、相談室のある二階に着いてエレベーターを降りたとき、どのドアが相談室なのか、一瞬迷いました。通り過ぎてしまい、戻ってよくよくドアを見たら『足と靴と靴下の相談室』と小さく貼ってありました。(もう少し大きな表示なら、ありがたいなと思いました。)
ノックして、ドアを開けてみると、目に飛び込んでくるのは、大量の靴箱!靴屋さんの倉庫かな?と思ってしまいそうな量です。その手前には、靴がディスプレイされている棚。入り口を入ってすぐの所には、先客のものと思われる靴が置かれています。室内は土足禁止のようです。こんにちは!と声をかけると、接客中だった男性(青山先生と思われます。)が出てきて、スリッパを出して下さり、受付票をわかる所だけで結構ですので、記入してお待ち下さい。と目の前の椅子を勧めて下さいました。私は余裕を持って到着しましたので、予約時間までには10分弱ありました。お借りしたボールペンで、受付票をゆっくり埋めていきます。住所、氏名などの基本的な個人情報の他に、この相談室を知ったきっかけや、どのような悩みで、今日、相談に来たのか、を丸を付けて選択するようになっています。選択肢は多岐に渡っていて、足だけにとどまらず、膝、腰の痛みはもちろん、これって足と関係あるの!?と思えるような項目もあります。具体的には、冷え性、鼻と喉、頭痛、耳鳴り…など。記入している間には、先生とひとつ前の予約時間に来室されていたお客様たち(おふたりで見えていました。予約時のフォーマットで、ひとりなのか同行者がいるのか、を選ぶ項目が有りました。)が和気あいあいとお話されながら、靴下を選んでいる様子が伝わってきます。どうやら、お得意様のようでした。そして、その話し声とは別の、女性ふたりの話し声も聞こえてきます。何かしら!?と思い、入り口横のチラシのラックを見てみると、『自律神経に働きかける「若石(じゃくせき)健康法」』と書かれたチラシがありました。『台湾を本部とする足もみ健康法。足裏にある反射区を刺激し、自律神経に働きかけ血流を促し、各種症状の改善にアプローチしていく療法です。』と書かれています。どうやら、同じスペースで、足と靴と靴下の相談と、足もみの施術が行われているようでした。
さて、予約時間を5分ほど過ぎても、先客の靴下選びは進行中で、私は少々待ちました。その間、室内の奥の方では、スタッフ二名が、靴箱を手に、てきぱきと歩き回ったり、電話応対をしたりしています。こちらも声が筒抜けなので、聞くともなしに聞いていると、どうやら、靴や靴下の通信販売を行っているようです。つまり、入り口はひとつですが、同じ室内で、『足と靴と靴下の相談』『足もみの施術』『靴と靴下などの通信販売』という三つが行われているようでした。都心で、スペースの関係上やむを得ないのかもしれませんが、せめて足もみの施術だけでも、別室にした方が、よりリラックスできるのでは!?と思いました。「~という事があったから、今日は調子が悪い」とか、ちょっと病院の診察室的な会話もされていましたから。まぁ、それを言うなら、私がこれから体験する、外反母趾についての相談だって、なるべくなら他人に聞かれたくないので、個室にして頂ければ申し分なかったですが…
そんなことを考えているうちに、いよいよ先客のお得意様が帰られ、大変お待たせしました。と恐縮されながら、青山先生が、私を相談スペースに招き入れて下さいました。
『足と靴と靴下の相談室』スペースは、入り口の右手、靴のディスプレイされている棚の前で、広さは3畳ほどでしょうか?靴の棚の向かい、入り口のすぐ横には机が置かれ、PC作業をする場所になっています。そして、靴下などが入った収納ボックスを間仕切りにして、一番奥が、『若石健康法』の施術スペースになっています。もちろん施術は和やかに続行中です。
まずは、青山先生と挨拶をしてから、椅子にかけて靴下を脱いで、足を見せて下さい、と言われました。お分かりかと思いますが、外反母趾の相談にいってみようと思われたあなた、決してストッキングやタイツで行ってはいけませんよ。すぐに脱げる靴下でどうぞ!
先生の言うとおりに素足になって、床に足を下ろした瞬間、先生がひと言!「ご自分の足の指を、よくご覧になって下さい。ほら、指に力が入って、シワがよっているでしょう?」…おっしゃるとおりです。「まずは、リラックスして下さいね。」と、iPadで床についた私の足を、前後左右から撮影してゆく先生。それから、足を宙に浮かせた状態でもチェックそして撮影。次に、立ち上がって、からだ全体のバランスや姿勢をチェック。
それから、「からだに触れますよ。」という言葉に続いて、肩や肩甲骨の状態もチェック。続いて、「私がこれから前後左右から押しますので、倒れないように、押し返して下さいね。」と言われ、床に足を踏ん張って、倒れないようにバランスを取りますが、すぐにフラついてしまいます。あれ~!おかしいですね、情けない。ちゃんと立っているつもりなのですが…
続いて、肩甲骨の上、肩の下辺りの筋肉の張り具合をチェック。「ここは心臓、ここは腎臓…痛みはないですね?両方とも健康な証拠です。では、ここは?ちょっと痛むでしょう?」と押されたポイント、これが痛い!…胃腸が少し疲れ気味なんですね…とのこと。はい、確かに胃腸は丈夫な方ではありません。一番痛かったのは、こめかみの少し上、目の脇の皮膚を摘ままれた時です。片側だけが、いたたたたっ!と思わず言ってしまったほど、痛いんです。「こちら側だけ痛みますか?でも、左右同じ力で摘まんでいるんですよ。」と先生。いやいや、つねられているんじゃないかと思うくらいのレベルなんですけど…最後は頭皮のチェック。「いや…硬いですね。ご自分でも、頭皮マッサージをして、揉みほぐしてあげて下さい。」…毎日、シャンプー前には、豚毛のヘアブラシで優しくブラッシングした後で、TVで美容家がレクチャーしていた頭皮マッサージをしているのですが、全く効果が出ていないということでしょうか?(悲)
…とか何とか、私が頭の中でぶつぶつつぶやいていると、一旦椅子に座って、先生の説明タイムに。まずは先ほど撮影した、様々な角度から見た私の足の画像から。!!!これが、衝撃的な画像なんですよ!アメリカ人ならば、Oh!my god!!と必ずや叫んでしまうであろうレベル。「これはひどい!ひどいですね~!あはははは…」と、もはや力無く笑うしかない私。あなたは、ご自分の足の指を、正面から見たことはありますか?靴を買う時には、試し履きをした状態で鏡に映して見ることはありますが、素足の足の指を正面から、というのは、なかなか無いですよね。でも、是非ともチェックしてみて下さい。五本の足の指が、全て床についているかを。私も、自分が浮き指だとは分かっていました。分かっていても、これほどだったとは!自分の認識では、第二趾と第三趾が、浮き上がっているくらいかな、という感じでしたが、画像に映し出されたのは、親指さえ床についていない、おしくらまんじゅうでもしているような、歯並びの悪い口元のような、指でした。もちろん、両足ともに、です。
力無く笑う私に、先生は、他の画像も使いながら、説明して下さいました。浮き指、開張足はもちろんのこと、後ろから撮影した画像では、これまでの間違った歩行の影響で、かかとの骨が傾いていること。足の裏に、タコが出来ているでしょう?(有ります!)いくら削っても、足の指を使った歩き方をしないと、またすぐに、できてしまいます。
外反母趾が重症の方の膝が、時々痛むことがあります、との私の言葉には、頷いて、膝のお皿をチェック。ああ、なるほど。ご自身でもお皿に、触ってみて下さい。ほらね、痛む方の膝のお皿は、あまり動かないでしょう?あ、でも関節やからだは、柔らかい方ですよね?立って、前屈してみて下さい。(床にぺったりと手のひらを付けた私を見て)あ~!柔らかいですね。(ちなみに、関節も柔らかいんですよ。手の指の関節は、逆方向にも、普通に曲がりますから。と、先生にお見せしつつ言う私の言葉に)ああ、それだけ柔らかいから、開張足になってしまったのかもしれないですね。膝のお皿は、毎日、こうやって優しくマッサージしてあげて下さい。と、先生のお手本とおり、やってみると、すぐにお皿がスムーズに動くようになりました!
青山先生は、膝のお皿のマッサージ以外にも、床に下した足を、レジ袋の上に載せて、足の裏を床の上でゆっくりと滑らせるストレッチも、教えて下さいました。レジ袋は、摩擦を少なくするためのものですから、フローリングの床の上で、靴下を履いて行うのならば、きっと必要ないですよね。
そして、私の足のサイズの計測をしたときに、かかとを触って、若干、冷え症があるかもしれないですね、とも。これまたビンゴ!です。サイズ計測で、驚いたのは、今まで、自分では左足の方が大きいと思っていましたし、靴屋さんでもそう言われることが多かったのに、実際は、右足の方が3mm、大きいそうです。ですから、これから靴を購入する時には、必ず大きい方のサイズに合わせることを忘れないで下さい、と先生。私が自分で選んでいたスニーカーのサイズをお伝えすると、大変よろしいです、と合格点を頂きました。
その他にも、私が言わないうちに、左右の足の指を触って、ん?ここに反応があるという事は、頭痛持ちですね?とか、アキレス腱に触れて、かなり固いですね。間違った歩行を長く続けてきて、かかとが傾いているせいですね。だから、ふくらはぎも結構固いですよ。と、自分では今まで、まったく気づいていなかったことを、次々と指摘されました。
そして、いよいよ、本日のメインイベント、コンフォートサポートソックスの試し履きです!
これを、履いてみて下さい、と手渡された靴下は、見た目よりもずっしりと重いな、というのが第一印象です。綿85%、ポリウレタン10%、ナイロン5%とは思えません。サイズはN(23.5〜25.0cm)です。いざ、足を入れてみると、思った以上にサポート力が強いので、ちょっと履きにくいです。はい、出来ました、と床に下した私の足を、先生が持ち上げて、足の指が長めでいらっしゃるので、履きづらいかもしれませんけど、指を、きちんと靴下の先まで入れるようにして下さいね。と、実技指導(!?)して下さいました。指先がきちんと先まで入っていないと、サポートの効果が薄まるのだそうです。
サポートと謳っているだけに、きっちりとサポートされている感じがしますが、決して締め付け感はなく、心地良いです。足を床に下ろし、早速先生がチェック。親指の外反母趾の角度、小指の内反小趾の角度が、やわらいでいるのが分かります。特に、小指は、ほとんど真っ直ぐになっています。これはすごい!
次に、立ち上がって、先ほど素足で行ったのと同じ、私が足を踏ん張って、先生が前後左右から押す、というのもやってみますと、あら不思議!しっかりと踏ん張れるのか、びくともしないのです。先生は、さっきより強い力で押したんですよ!とのこと。信じられません。
肩のすぐ下、先ほど押された時は、痛みを感じたポイントも、こめかみの上の、摘ままれて、すごく痛かったポイントも、柔らかくなっています。痛みも全然感じません。靴下を履いただけですよ。足の指を床にきちんとつけただけですよ!恐るべし、コンフォートサポートソックス!
その後、靴下を履いた状態で、ジャストサイズの靴、小さめの靴、大き目の靴、と履き比べをしました。なるほど、せっかく良い靴下を履いても、靴のサイズが合っていないと、また、踏ん張れなくなってしまうことが実感できました。ところで、履いた靴はどれもニューバランスのスニーカー。どうしてかと思いましたら、青山先生の師匠である、松藤先生は、ニューバランスジャパンから独立されたのですね。納得です。
さて、これで終わりかと思いきや、おまけ(!?)として、靴下を履いた状態で、さらに足の指を開く装具(硬めのスポンジのような素材でできていて、東急ハンズなどでも見かける外反母趾対策グッズのようですが、両脇にゴムのベルトが付いていて、ベルトをかかとに回して、足に固定できるようになっています。)を装着してみました。個人差は有ると思いますが、私にはこれは苦痛で、できれば室内では、靴下の上にこれを装着して過ごすと、効果がアップします、というお話でしたが、ちょっと無理だなと感じました。
…ここまでで足の相談と、CSソックスの試し履きは終了。ホームページには、靴下を買わせようとすることはない、的に書かれていて、確かに、押し売り的なセールストークは、靴下にしても靴にしても、一切ありません。でも、何となく、雰囲気的に、買わずに出ていけないよね…という気分になるのは否めません。が、ここに伺うという時点で、靴下に興味があるのですから、そのような雰囲気になるのは当然といえば当然でしょう。現に、私も試し履きをして、これはすごい!しばらく実際に履いて、自分の足が変わるのか、確かめたい、と思いましたから。なので、結局、二足を購入し、靴下の履き方の手順などの説明書やパンフレットを頂いて、相談室を後にしたのでした。
その後、継続して靴下は履いていますので、また機会があれば、ご報告しますね!