大学病院の専門医が考案した画期的セルフケア 外反母趾は包帯1本で治せる を読んでみました

【大学病院の専門医が考案した画期的セルフケア 外反母趾は包帯1本で治せる を読んでみました】

『大学病院の専門医が考案した画期的セルフケア 外反母趾は包帯1本で治せる』…なんて魅力的なタイトルでしょうか!書棚でも目立つ、黄色の背表紙。外反母趾でお悩みのあなたなら、『セルフケア』とか『治せる』、しかも『包帯1本で』とくれば、手に取らないはずはないですよね。私も、もちろん吸い寄せられるように手に取り、表紙に書かれている『著・青木  孝文 日本医科大学武蔵小杉病院整形外科部長』を目にして、納得そして安心しました。大学の医局に所属して、部長までされている先生の持論なら、説得力がありそうじゃありませんか。ちなみに、青木 孝文先生は、現在は国際医療福祉大学で教授をされており、『足の外科 外来』は、東京都内ですと、港区の山王病院で整形外科部長をなさっておられるので、そちらで外反母趾関連の診察を受けられるようです。

外反母趾関連の、と私が言うのにはワケがあります。この、青木 孝文先生の書籍を読むと、今までは自己判断で外反母趾だと思い込んでいたけれど、実は全く違う『中足骨頭部痛(ちゅうそくこつとうぶつう)モルトン病』だった、という患者さんがいるのだそうです。これにはびっくりしました。中足骨頭部痛の特徴的な症状は、まず、足の指の裏に何かがへばりついているような違和感から始まるのが一般的なのだそうです。足の裏に何かガムテープでもへばりついているような、とても変な感覚異常のあとに、足の指のしびれが出てくることもあり、しびれで最も多いのは、足の第三指で、第四指がしびれる人もいるそうです。足の痛みや違和感があり、私って外反母趾なのよね…と思い込んでいるあなた、青木先生が挙げられた、これらの違和感や痛みがあるのなら、もしかして中足骨頭部痛かもしれませんよ。自己判断ではなく、一度は専門家にきちんと診断してもらう方が良いかもしれませんね。

もちろん、中足骨頭部痛にも、外反母趾にも、青木先生が積極的に開発に関わってこられた『包帯療法』は、極めて有効なのだそうです。
先生は、本の中で、外反母趾の痛みについて、詳細に述べられていますが、痛みには三つのタイプがあるそうです。

1 バニオンの痛み 外反母趾で曲がった関節が 、滑液包(バニオン)という袋をこするように刺激してしまい、炎症を起こして痛むもの。外反母趾の痛みとして最も有名で、患者さんの約半数がこの痛みを訴えるそうです。私の痛みも、これに当てはまります。
2 関節周囲の硬さの痛み 足の第一指と第二指のつけ根の、いわゆる「股」の部分が痛むタイプ。
『筋肉の付着部炎』と呼ばれる痛みだそうです。患者さんのおよそ四割が、このタイプなんだそうです。

3 皮膚神経の痛み 足の指が曲がっていると、さらに指先がねじれることがあり、そうすると、皮膚の表面を走っている細い神経がこすれて、神経痛のようなピリピリとした痛みを起こすことがあるそうです。このタイプに当てはまる患者さんは、およそ一割おられるんだとか。

これらの辛い痛みから開放してくれるのが、包帯療法です。どうして包帯をグルグルと巻くだけで、手術が必要とまで言われていた重度の外反母趾が良くなるのでしょうか?詳細は本書をお読みいただくということで割愛しますが、大まかに言いますと、足の甲の筋肉のバランスの崩れが、足の裏のアーチを崩し、それによって足の第一指が第二指の方に引っ張られてしまう、それが外反母趾が起こるメカニズムです。先生は、このとき、第一指と第二指の間に、ものを挟んで広げるような装具を使用することは、逆効果だと考えておられます。かえって痛みが増すことも有るのだとか。確かに、私にも思い当たることがあります。親指と人差し指の間を広げる装具を使用したら、痛みがさらに増しただけで、外反母趾が良くなったとか出っ張った親指のつけ根が引っ込んだ、とかそういう嬉しい変化はありませんでした。

そこで、手間もお金もかからない包帯療法です。包帯を巻くことで、筋肉や靭帯の働きを調整し続ければ、徐々に問題が改善していくのだそうです。使用する包帯の種類や巻き方などは、詳しく解説され、イラストや写真も掲載されていますから、自分でもできそうに思えます。ただ、先生もおっしゃっていますが、巻き加減は文章ではなかなか伝わらないので、とにかく、まずは自分で巻いてみることが重要なようです。コツは『痛くならない程度にやんわりと引き締めるように』です。
先生の調査の結果、バニオンの痛みが改善するのに平均で二、三か月、痛みがほとんどなくなって治ったような状態になるのに六、七か月かかるそうです。足の親指の曲がりの角度の改善が見られるまでには、さらに年月が必要ですが、重度の患者さんでも、三年、真面目に包帯療法を続けた結果、重度から中程度まで改善されたそうです。すぐに効果が出ないからと言って、諦めてはいけないのですね。

本著では包帯療法と併せて行うと、さらに効果が高まるという足のマッサージと、一分でできる足の体操も紹介されています。同時に行って、効果をアップさせたいですね!