【足指 伸びてますか~ マイク湯浅の足育・歩ける足づくり講座 マイク湯浅 著 今井 一彰 監修】を読んでみました。
マイク湯浅、本名湯浅 慶朗先生は、理学療法士であり、福岡市博多区のみらいクリニックフットケアセンター長をされています。(本書の監修をされている今井先生は、みらいクリニックの院長です。)
本書は、2013年6月から約半年間、西日本新聞生活面『お茶の間学Ⅱ』に連載していたものをもとにしているそうです。
湯浅先生は、ある療養型病院に勤務されていた頃、同じリハビリをしても、良くなる方と良くならない方がいることに気づきましたが、違いを探しても答えが見つからなかったそうです。結局、その病院は志半ばにして5年目に退職。その後、しばらくしてから、なるべく薬や手術に頼らず、体の使い方を人間本来のものに戻すことで病気を治す『みらいクリニック』院長で内科医の今井先生と、運命的な出会いをし、クリニックに就職。現在に至ります。
湯浅先生は、体の不調を訴える患者さんが来院すると、まずは足、それも足の指を見るそうです。先生の外反母趾のチェック方法は、とても簡単で、『両足をそろえて床に腰を下ろすと、左右の親指の間にVの字の隙間ができます。そこにての人さし指が、足指の付け根部分まで入ると「外反母趾」です。』…たったこれだけ。イラストで、とても分かりやすく解説されています。同じように、浮き指のチェック法も、ペーパーテストでOK.。あ、筆記試験のことではありませんよ。
親指のチェックならば、『椅子に腰掛けた状態で親指の下に紙を入れ、親指で紙を押さえます。それを引っ張って紙が抜けるようであれば浮き指です。小指の場合も然り。『紙を小指の下に入れてスカスカ入るようであれば浮き指です。小指の爪が変色していたり、爪が小さくなっていることが多いです。』…ね、簡単でしょう?小指の爪つながりで言いますと、私の小指の爪は、『寝指(ねゆび)』でした。あまり聞いたことのない言葉でしたが、『小指や薬指が真横に寝転んでいたり、「く」の字に曲がったりしていたら「寝指」』だそうです。私の小指は、内反小趾で、ねじれているうえ、爪も非常に小さい、まさに寝指の典型でした。
そして、中敷(先生のお勧めの中敷は、革製、しかも人の肌に最も近いとされる豚革の表皮だそうです。革製とは!意外ですよね。)の話題や、靴の選び方などが続きますが、外反母趾のあなた、足に良いといわれるひも靴をお持ちだと思いますが、靴ひもにも気を遣っていますか?湯浅先生いわく『靴ひもは、骨と骨をつなぐ靱帯のようなもの。』かなり重要なアイテムですね。
ひもの締め方にもご注意!腰を下ろした状態で、締めてはいけません。『足の甲の高さは、座った時には高く、立った状態では体重がかかるので低くなります。~座ったままひもを締めると、締めたつもりでも、歩いたときにはひもが緩くなるわけです。そうなると、靴の中で足が滑って摩擦し、タコができやすい状態に。』そして、もうお分かりですよね。ハンマートウや開張足、外反母趾の原因になってしまいます。
さて、足の指のスペシャリストである湯浅先生のもとに、福岡県筑後地方保育士会から大量の保育園児の足型が持ち込まれたそうです。近頃の園児たちの運動能力が下がっているというのです。(すぐ転ぶ、疲れやすい、雑巾がけが、長い時間できない、など。)
先生は、早速現場に赴き「ジャンプ」「行進」「しゃがみ(真っ直ぐ立った状態からかかとをつけてしゃがめるか。)」の三つを判断基準にして、調査を行なったところ、はだし保育をしている園としていない園では、意外にも大差がなく、体育教室の有無でも同様、大差がなかったそうです。そこで先生は『大人同様、幼児も足指を訓練したら、何か変化が生まれるのではないか。』と思いつき、考え付いたのが『ひろのば体操』でした。なお、この体操、当初は「フット&ケア、フクオカ&チクゴの頭文字から「FC方式」という名称だったそうです。
この、『足指をひろげて(ひろ)伸ばす(のば)体操』は、保育園児でもできる簡単な体操ですが、大人にも効果があるそうです。筑後地区の保育所では毎朝20回、行なったところ、2か月後には、やらなかった園と比較して、「ジャンプ」「行進」「しゃがみ」の三つの動作が改善したばかりでなく、かけっこが速くなったり、登り棒がうまくなったり、という嬉しいおまけもついてきたそうです。
このひろのば体操、私も早速ためしてみましたが、とっても簡単です。でも、足の指の動きが悪いのが、よく分かります。私の場合は、内側に曲げるのが、やりづらいです。ですが、毎日の歯磨きのように、習慣にしてしまい、夜寝る前に(一日中、足を使った後に行なうのが良いそうですよ。)20回、続けてみようかなと思いました。
興味を持たれたあなたも、この本を参考に、ひろのば体操、してみませんか?