外反母趾と爪のトラブル 肥厚爪


外反母趾で困っているあなた、あなたの足の爪はキレイですか?ーいきなりこう訊かれて、ドキッとしたあなた、爪のトラブルを抱えていますね?ええ、私もそうです。悲しいことに…

外反母趾で骨格筋や立ち方、歩き方に乱れが生じていると、当然のごとく、足指の爪にも影響が及ぼされますよね。今回は、爪のトラブルの中でも、肥厚爪(ひこうそう)にスポットを当てて、お話ししていきたいと思います。

まず始めに、肥厚爪と言っても、二種類有ります。ひとつは、『厚硬爪甲(こうこうそうこう)』という、爪が上方向に重なって厚くなるタイプです。親指に起きることがほとんどで、これを、痛いからとか、切り方が分からないから、などと言って放っておくと、どんどん厚くなり、第二趾の方に拡がって伸びて行き、カタツムリの殻のような形状にまでなってしまうこともあるそうです。カタツムリの殻状にならなくても、真っ直ぐ伸びることができなくなり、爪の先が反り返って後方を向いて、伸びてきてしまうようなケースもあるそうです。

厚硬爪甲の場合は、爪の色も、グレーから黒、緑色、と徐々に変化していくそうです。この場合の緑色は、ジェルネイルなどで起こりがちなグリーンネイルとは違います。グリーンネイルは、爪と皮膚の間に緑膿菌が入り込んで、増殖してしまう状態のことです。これは、皮膚科で正しい処置をすれば、治ります。そして、爪の変色つながりで言いますと、爪が黄色く変色してしまう、黄色爪症候群(Yellow nail syndromes)という疾患が有りますが、こちらは、黄色爪、胸水、浮腫を3徴候とする病気ですので、外反母趾から生じるトラブルとは一線を画すると思います。

厚硬爪甲の主な原因は、爪の切り過ぎ、つまり深爪です。足の親指の爪の長さは、足の裏にしっかり体重をかけて立って見て、爪の先が指の先端と、ほぼ同じ、もしくは少し長めにするのが、一番の予防になるそうです。ポイントは、上から見るだけではなく、横からも見て、長さが足りているかどうかをチェックすること!これですね。余談ですが、厚硬爪甲で悩まれている方々の多くは、高齢者なのだそうです。ご自分で爪のケアができずに、どんどん悪化してしまい、痛くて靴が履けずに出歩けず、結果的に足腰が弱ってしまう、という悪循環にもなりかねません。あなたのご家族に、ご高齢の方がいらしたら、ぜひ足指の爪をチェックしてあげてみてはいかがでしょうか。

さて、肥厚爪の、もうひとつのタイプは、『爪甲下角質増殖』という、爪の下で角質が増えてしまうことで、爪床(爪の下にある皮膚)から押し上げられてしまい、それと同時に持ち上がった爪が厚くなってしまった状態のことです。爪と爪床の間には、粉末状の角質が溜まり、白く濁った色に変色します。

爪甲下角質増殖の主な原因はふたつあって、ひとつは白癬菌によるもの、いわゆる爪水虫ですね。白癬菌というカビが爪と皮膚の間で繁殖してしまうというもの。一般的な水虫と違って、かゆみはほとんどないそうですが、他人にうつしてしまうのが、困りものですね。もしも、自分が爪水虫による爪甲下角質増殖タイプかもしれない、と思ったら、家族や周囲の人たちに、
うつしてしまう前に、すぐに皮膚科医の診断を受けましょう!塗り薬や飲み薬で対処できます。

もうひとつの原因は、そうです、足や爪の変形から生じるタイプです。外部からの過度な圧力がかかり続けた結果、爪甲の正常な成長が阻害されてしまい、爪の下の角質が厚くなってしまうのです。このタイプの肥厚爪は、親指以外にも起こります。

ちなみに、私の肥厚爪は、片足の第二趾で、外反母趾のために第二趾に過度の圧力がかかり、しかも、過度に地面に接してしまうために、下からの圧迫をもろに受け、指先先端部分の皮膚が角化して硬くなり、爪甲の厚みが増してしまったようです。確かに私の外反母趾の程度は、爪甲下角質増殖のある足の方が、重度です。足は本当に正直ですね…

それでは、私の悩みの種でもある、爪甲下角質増殖タイプの肥厚爪は、どのように手当てや治療をすれば良いのでしょうか?爪水虫の方なら、皮膚科へGO!ですが、外反母趾から生じるタイプのための、速効性のある治療法や対処法は、現在のところ、見当たらないようです。…がっかり!とどのつまりは、外反母趾の症状を改善しない限りは、爪甲下角質増殖は、完治するのは極めて困難である、と言えるのではないでしょうか。

確かに、プロのネイリストさんに、念入りにフットケアをして頂き、第二趾の爪の下の、ボロボロの角質(それもたっぷり!)を、キレイに取り除いてもらい、たこやガチガチの角質を削り取って、正しく爪をカットしてもらっても…あら不思議!2、3か月もすると、元の木阿弥。しっかりと第二趾の爪の間には、新しい角質が、着々と増殖しているのでした。そもそもの原因である、外反母趾が、そのままなんですもの、当たり前ですね。

私と同じように、爪甲下角質増殖タイプの肥厚爪でお悩みのあなた、根本的な解決は、外反母趾の症状を軽減させるより仕方ないみたいですね。お互いに頑張ろうではありませんか!