【歩き方を変えれば 外反母趾はここまで治る! 古屋 達司 著】を読んでみました。
この本を手に取り、裏表紙を見ると、足の骨格モデルの写真が載っていて、写真の説明書きに『背側骨間筋』という見慣れない単語が!長年外反母趾と戦っている私としては、大概の外反母趾関係の単語は見知っているつもりでしたが、未だあったか、専門用語!といった感じで、鼻息荒く、読み始めた次第です。
著者の古屋 達司先生は、その名も、外反母趾研究所の代表をつとめられると同時に、同じ場所(東京都23区内)で接骨院もされている柔道整復師です。そして、日本足の外科学会準会員であり、ドイツヘルムートルックポドロジーカレッジ認定のポドロジースペシャリストでもあります。ポドロジーってご存知ですか?ドイツ語で『足の学問』という意味で、ドイツにおいては国家資格なので、医療行為とみなされますが、日本では民間療法の範疇に認識されています。この資格などから考えても、古屋先生が相当の勉強家であることがわかりますよね。
本著では、まずプロローグとして、自宅でできる外反母趾の総合判定法が書かれています。これは外反母趾関連の他の書籍にも多々あることですが、着目すべきは、浮き指のチェックの仕方が細かいことです。しかも写真入りで詳しく載っています。とても分かりやすいので、ご自身が浮き指かどうか、今ひとつ分かりかねているあなた、チェックしてみては!?
プロローグの最終ページには、総合判定結果と、足指トレーニング開始レベルが一目瞭然の表がありますので、後に述べられるトレーニングを行う上での参考にできます。
次章『ここまでわかった!外反母趾のメカニズム』では、古屋先生独自の観点から、外反母趾がどうして起こるのか、を解説されています。先生は、『結論からいえば、足の悪い生活習慣を改善しなかったこと』と言います。これは、高血圧や糖尿病といった『生活習慣病』と同じで、いくら医者に処方された薬を飲んでいても、症状を根本から改善させることはできませんよね。食生活、喫煙、運動などの生活習慣を変えて、はじめて根本的な改善がなされるのではないでしょうか?外反母趾でも実は同じで、整形外科などで作ってもらったインソールを履き続けても、自分でテーピングなどを続けていても、根本的な改善にはなっていません。先生は、外反母趾=足の退化による生活習慣障害と認識しています。ええっ!?だって私は毎日一万歩以上歩いて、足を鍛えているんですけど!と反論したくなったあなた、当然です。私も同意見です。
ここで、古屋先生の考え方にご注目。先生は、足首から先を足と、足首から上のふくらはぎや太ももの部分を脚ととらえています。先生の研究所を訪れる男性の多くは運動好きで、毎日脚を鍛えているにもかかわらず、外反母趾や足の痛みで悩んでいるそうです。
外反母趾になってしまう悪い生活習慣、それは足指の使い方が悪い、ということ。ですから、足にとっての良い生活習慣とは、
1 足指を動かすこと。2 足指に体重を乗せて立つこと。3 足指に体重を乗せて歩くこと。
この三つだけ。なるほど!
そして、私が食いついた『背側骨間筋(はいそくこっかんきん)』も、この章で登場します。足裏の横アーチを構成していて、弱ると開張足の原因になる筋肉のことでした。
また、ちょっと興味深いことも語られています。扁平足は、常に悪者扱いされがちですが、外反母趾に関していえば、あながちそうとも限らないそうです。扁平足の足指は、地面にベッタリと接地しやすいので、体をしっかりと支えている傾向があるんだとか。やるじゃないか!扁平足!
さて、生活習慣の改善と足指トレーニングを毎日確実に行ったとして、どのくらいの期間で痛みが改善するのか、ですが、プロローグで判定した、結果が50未満の方は3か月前後で改善するそうです。50点以上の方は、さらに数か月を要する、と。ちなみに私は42点でした。
さあ、いよいよ歩き方、立ち方、そして足指トレーニング方法の解説にはいるわけですが、立ち方ひとつにしても、長年身に付いた悪しき習慣を改めるのは容易ではありませんよね。でも先生は、ちょっとしたポイントやコツを教えてくれていますから、読んでいるうちに、よし、やってみようか!という気持ちになってきますよ。
私が特に注目したのが『良い立ち方と悪い立ち方1』の図と写真です。足指に体重を乗せて立たなきゃ、ということを意識しすぎて、足指の第1、2関節にだけ力を入れて指を縮めて立った、悪い見本が載っていて、非常に分かりやすいです。また、足指に体重を乗せて歩こうとすると、外反母趾の人は、バランスを崩してフラフラすることがあるそうですが、それは、今まで足指を使って歩いていなかったため筋肉が弱くなっている
状態なので、あせらずに少しずつ慣らしていくようにすれば良いそうです。
さあ、後は、足指トレーニングにチャレンジするだけです!本著を参考に、始めてみませんか?