【外反母趾は今すぐ治す! 笠原 巌 著】を読んでみました。
笠原 巌さんと言えば、外反母趾で悩まれているあなたなら、既にご存じかもしれませんね。『外反母趾・浮き指研究家 笠原接骨院院長 カサハラフットケア整体院院長』として大活躍、マスコミにも度々登場されている、有名な柔道整復師さんです。カサハラ式フットケアグッズも、数多く開発されていて、外反母趾や膝痛などの痛みに対応する靴下やサポーター、インソールなども、色々な種類が市販されています。
今回は、平成25年に出版された書籍を読んでみました。タイトルの、『今すぐ治す!』、大変魅力的な言葉ではありませんか?歩くたびに痛む、この第一趾つけ根の痛み。あるいは、おしゃれなサンダルを履いても興ざめな、この第一趾つけ根の出っ張り。これらが『今すぐ治せる』のなら、どんなに幸せなことでしょうか!
…結論から申しますと、笠原さんは、本書で、保存的療法のカサハラ式足裏バランステーピング法などで今すぐに治せるのは、痛みであり(痛みは100%治るそうですよ。嬉しいですね。)30度以上に変形した、ひどい外反母趾(笠原さんいわく、手遅れの状態。これは何とも悲劇的な表現ですね。)は、カサハラ式フットケアを続けても、完全に元通りの形に戻すことはできないそうです。個人差はありますが、平均30%くらいまでなら回復するそうです。なぁんだ、30%ぽっちか、とグレてはいけません。30%回復するだけでも、見た目は良くなり、何よりも親指の機能が戻るので、足指を使い踏ん張って、自然と正しい歩行ができるようになり、それに伴い、健康を取り戻したり、予防につながるそうなのです。ここに大きな価値があるのですね。
本書では、外反母趾と一言で言っても、五種類のタイプに分けられることや、外反母趾が引き起こす、足やからだの痛みについて、そして外反母趾が起きる原因などが、初めに詳しく語られています。『足へバーデン(カサハラ外反結節。笠原さんが名付けたそうです。)』、あなたはご存知でしたか?私は、恥かしながら、本書で初めて知りました。足の第一趾が外側にねじれ(回内位)、爪が外側を向いて変形してしまう、重度の外反母趾で、一般的に知られている外反母趾とは区別して考えて、治療しなければならないそうです。何故なら、進行性なので、痛みがある場合、我慢していると、二~三か月で急に曲がったり、骨が出っ張ったりして、症状がひどくなってしまうのだそうです。何と恐ろしい!そうなる前に、適切な治療が必須!これが分かっただけでも、本書を読む価値があると思いませんか?足へバーデンやリウマチ以外の五種類の外反母趾も、詳細が載っていますので、ご自分の足がどの変形パターンに当てはまるかを、イラストと共に凝視して、照らし合わせてみて下さいね。それぞれのパターンと変形の種類によっては、治療方法が異なるのです。
そして、いよいよ本書のメインテーマ、自分でできるテーピング方法の詳細が語られます。笠原さんの素晴らしいところは、『カサハラ式フットケアやテーピング方法は、自分や弟子達にしかできない、専門的な施術なので、著書を読んで、思い当たる人は、是非とも我が接骨院にいらっしゃい!』などという下品なことは言わないことです。『外反母趾の保存的療法は長期間を要するので、まず自分で治すという考え方をもつ必要があります。』『外反母趾の保存的療法は自分が一番名医になる、というような心構えが必要です。』ここまで言い切れてしまうところに、笠原さんの人となりの崇高さや、人気の秘密が窺い知れますよね。
さて、自分でできるテーピング方法ですが、材料の選び方に始まり、イラスト、写真、そしてテーピング用テープのカット法として、型紙まで掲載されています。もちろん、皮膚への貼り方から、貼り終えて、しまった!きつく貼り過ぎた!と思った時の対処法や、入浴時の対応まで、まさに手取り足取り、といった詳細さで説明されています。
はい、とても分かりやすく説明されているのですが…私には、ちょっとできそうもない気がしました。百歩譲って、一、二回なら、なんとかできそう(本当か!?)ですが、『保存的療法は長期間を要する』んですよね。はっきり言って、無理です。
でも、保存的療法の一環である、『グーパーリハビリ運動』なら、続けられそうですので、まずは運動から入ってみようかなと思います。このリハビリ運動は、第一趾の運動可動域を広げて、足指に力が入り、踏ん張って歩けるようにすることが目的で、子どもから大人まで有効なストレッチ方法だそうです。
リハビリ運動を行いつつ、カサハラ式ウォーキング法を実践してみようかと思います。興味深いのは、笠原さんが、私が先日ご紹介した、『間違いだらけのウォーキング』の著者、木寺先生と同じことを述べている点です。『膝を伸ばして、立ったり歩いたりしてはいけない』この点が広く知られるようになれば、外反母趾をはじめとする、からだの不調から開放される人が増えるのだろうな、と感じました。