【『皮膚科医が教える本当に正しい足のケア かさつき・巻き爪・たこ・外反母趾:高山 かおる 監修』を読んでみました】
高山先生は、東京医科歯科大学の皮膚科で、フットケア外来という全国でも珍しい、足のトラブルの専門外来をされている方です。テレビ番組や雑誌などでも活躍されているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。私も、テレビ番組で観たことがありましたので、この本を手に取ってみました。
外反母趾で悩まれている方々は、皮膚のかさつきはともかく、巻き爪、たこ、そしてうおの目の症状をお持ちの方は多いと思います。もちろん、私も、この三つの症状、全て経験があります。
高山先生は、足の骨格図や専門用語を使いながらも、一般の私たちにも分かりやすく、足のトラブルの起きる原因や疾患の詳細、我が家でも簡単にできるセルフケアの方法や、トラブルのセルフチェック、そして靴の選び方まで説明されています。
私がこの本を読み始めて、一番初めに心に強く響いた事があります。それは、足のトラブルが、糖尿病の患者さんや関節リウマチの患者さんのQOL(クオリティ オブ ライフ:大まかに言うと、医学的に見た生活の質)を大きく損なう事になる、という事です。えっ!?何のこと!?大げさなんじゃない!?と思いました。でも、糖尿病の患者さんで、足先が壊死してしまい、やむを得ず、足を切断することになる可能性がある、という話は、だれしも耳にしたことがあるのではないでしょうか?その原因が、外反母趾によるうおの目や靴擦れといった、些細な病変からの感染症だとしたら?ちょっとドキッとしませんか?
ただ外反母趾といっても、足だけにとどまらず、人生をも左右してしまう、恐ろしい事態を引き起こしかねないんだな、という気持ちにさせてくれたのでした。
高山先生は、うおの目、たこ、巻き爪などの原因の説明とともに、自宅でできるセルフケアの方法も、詳細に語られています。本当に細かくて驚いたのが、爪切りの刃の形状についてです。刃が水平になっているものの方が良いです、カーブの付いているものだと、深爪になりやすいです、と書かれていましたので、すぐに洗面所に走り、我が家の爪切りを見てみると…残念ながらカーブがついていました。それならば、ネイリストさんや介護士さんが良く使っている、ニッパータイプ、あれなら良いじゃない、と思いますよね。我が家にも実はあります。(持ち重りがするので、あまり出番はないのですが)でも、高山先生曰く、ニッパータイプは誰かの爪を切ってあげるための器具なので、自分自身の爪を切るにはあまり向いていないんだそうです。ショック!みなさんは、ご存知でしたか?でも、心配ご無用。ニッパーを使って、自分の爪を切る簡単な方法をご紹介くださっています!ちょっとしたことなのですが、なるほど!と思えますよ。
その他には、巻き爪は現代では、よほどの重症でない限りは、手術は行わないことや、肥厚爪(爪甲下角質増殖と、厚硬爪甲というふたつのタイプが有るそうです)などの爪のトラブルと外反母趾の関係についても詳しく語られています。私は長年、両方の第二趾(手指だと人差し指にあたる指)の爪が分厚くなり、爪と指の間には角質がたまって、それはそれは汚らしい状態になっているのですが、外反母趾の人は、第二趾が肥厚爪になりやすいとのこと。そして、爪水虫と肥厚爪の違いが写真を使って説明されていて、私の爪は、水虫ではないことが判明して、思わず小声で万歳してしまいました!(不幸中の幸いですね)もちろん、爪水虫であっても、心配いりません。高山先生は、皮膚科の医師ですから、正しい対処法が伝授されています。爪水虫は通常の水虫と違って、飲み薬で完治させるんですね。
爪をクリアしたら、次は正しい立ち方と歩き方です。外反母趾を認識されている方々は、往々にして、無意識に、痛みをカバーするために、不自然な立ち方と歩き方をされていることがありませんか?正しい立ち方ができないので、足をはじめとして、膝や腰に過度の負担がかかり、痛みを感じるようになってしまうんですね。私も全くその通りです。高山先生は、イラストを用いて、簡単に体が安定する重心の感じ方を説明されています。さっそく試してみましたが、確かに安定して、安全にスッと立てる気がしました。
ちゃんと歩行ができるようになったら、一日中酷使された足をリラックスさせるように、柔軟性と筋力を高める足のエクササイズや、足指ストレッチです。足指ストレッチを継続すると、足の変形や外反母趾を防ぐ効果があるそうです。
これらのストレッチとエクササイズ、私もいくつかチャレンジしてみようと思っています。感想や結果、効果については…またご報告させていただきますね。
そして、書籍の終盤は、正しい靴の選び方やQ&A、最後に足のセルフチェックとなっています。お勧めは、たこマップとうおの目マップです。私はここにうおの目があるから外反母趾だな、とか内反小趾なんだな、というのが一目瞭然ですよ。ぜひ、見てみて下さい。