【健康長寿は転ばないこと 転倒予防 山下 和彦 大西 忠輔 著】を読んでみました。

【健康長寿は転ばないこと 転倒予防 山下 和彦 大西 忠輔 著】を読んでみました。

『健康長寿』、とても耳慣れた言葉ではないでしょうか?日本人は世界に誇る長寿国ですから…しかし、いくら生活習慣病の心配がないといっても、外反母趾をはじめとする足病(そくびょう)が命を縮めてしまうとしたら、どうでしょう?

本書は、東京医療保健大学医療保健学部医療情報学科教授である山下 和彦先生と、昭和伊南総合病院の理学療法士・義肢装具士である大西 忠輔先生による共著です。おふたりとも、医用生体工学、高齢者福祉工学、メディカルフットケア、リハビリテーション技術、運動療法の指導などで、子どもからお年寄りまで幅広い年代の臨床、研究経験をお持ちです。そのおふたりが、『普段からのフットケアで「転倒」しないように先手を打つための「転ばぬ先の杖」として制作されたのです。

『健康長寿』なんて、私にはまだまだ関係ないわ。もっと歳を取ってから考えればいいじゃない…などと思ったあなた!甘いですよ!『足の筋力は一般的に、30代から右肩下がりで低下しはじめます。50代、60代になれば、本人は若いつもりでも足腰の力はかなり弱まっていて、生活の中に影響が出てきます。そのうえ、足もとのトラブルを抱えていると、ちょっとしたことで転倒しやすくなったり、サッサと力強く歩けなくなってしまうのです。』そう、足もとのトラブル=外反母趾もそのひとつなんですよ。ね、他人事だなんて言っていられませんよね。でも大丈夫。『遅すぎることはありません。もしもあなたが70代であっても、足もとのケアやトレーニングで筋力の低下を防げば、「転ばないで歩ける」健康を維持する事ができます。』

先生方が重要視するのは『転倒のほとんどは歩行中に発生していて、その4割は、つま先が引っかかったことが原因になっている』ということだそうです。そして、そのつま先の引っかかりの原因が、外反母趾、開張足、巻き爪、浮き指といった足病であることが多い、とのこと。しかも、浮き指に限って言えば、女子大生を対象にした調査では、10人中7人もが浮き指か、浮き指が疑われる状態で、ほとんどの人が、自分が浮き指である事に気づいていなかったのだそうです。

私も、浮き指ですが、ちゃんと調べてもらうまで、どの指が浮いているのか(これほどまでに酷いのか)、把握していませんでした。幸いにも、転倒の経験はありませんが、歩行中に、靴のつま先を地面に引っかけてしまい、大事な靴の皮革がめくれてしまって、靴のリペアショップのお世話になることが、以前よりも増えたと感じています。これも、先生方が指摘する『足の指が地面に接しないと、つま先が下がり、ちょっとした凹凸にもつまづいてしまう』ケースのひとつだと言えるでしょう。

さあ、自分の足を見つめて、これはまずいかも!と思ったあなた!本書を参考に、『自宅でもできる、フットケア・フットマッサージ・爪切り』で転倒予防策を講じ、『やさしいストレッチ、足と脚の柔軟マッサージ、足指ストレッチ』を実施し、『足腰をいつまでも若々しく保つための歩き方5ヶ条』を守って、転倒とは無縁の、健康な長生き人生を、手にいれましょう!

自宅でもできる、フットケア・フットマッサージ・爪切りは、私がたまの贅沢で行く、ネイルサロンでのフットケアに、とてもよく似ています。フットバスから始まり、足指やふくらはぎのマッサージは、とても気持ちよく、私も施術中に、思わずうとうとしてしまうほどです。これを毎日自分自身で行うとなると、面倒だなと思いがちですが、酷い巻き爪や厚硬爪の患者さんが、専門家によるフットケアは月に1回、あとは自宅で、本書で紹介されているフットケアとマッサージを毎日行なったところ、1年程度経つ頃には、かなりの改善が見られています。(写真が載っています。本当に良くなっていてびっくり!)

また、『足の痛みがある人は、痛みのない人に比べて、足の指の力が約4割も低くなるため、転倒リスクも高まります。』つまり、外反母趾で痛みがあるあなたは、知らぬ間に転倒リスクが高まっていたのです。でも、足の指の力って、自分ではどの程度有るのか、分かりませんよね。私は、外反母趾で開張足で浮き指という散々な足なので、足の指の力は平均以下という自信がありますが、実際のところ、どのくらいなのか、興味があります。

その下肢筋力(足指力と膝の力)を正確に調べる計測器を、山下先生と大西先生は、開発されたのだそうです!これは、是非とも計測してみたい!と思いましたら、『おわりに』のページで、『足指力や膝間力などは、保健センターや福祉会館、健康イベントなどで計測の機会を見つけることができますし、計測器を設置する施設も少しずつですが増えてきています。』とありました。なるほど、公共施設やスポーツジムなどに訊いてみれば良いですね。

でも、いざ計測、となったときに、あまりにも非力だと格好悪いので、まずは本書を片手に、フットケアやストレッチで足指力を高めておくことにします。