外反母趾と歩き方


外反母趾のあなた、親指のつけ根の出っ張りばかり気にしていませんか?…何が言いたいかって?自分の歩き方を、意識したことはありますか?

私は、外反母趾との付き合いが、20年以上の大ベテランです。(ちっとも威張れることじゃありませんが)加えて、こんにゃく足で開張足、かかとの骨も傾き、極めつけは、多分外反母趾の影響で、背骨もやや曲がっています。これらのことは、ぱっと見では分からないのが、せめてもの救いですが…

こんな私ですから、外反母趾に関する書籍をかたっぱしから読んだり、外反母趾向けの靴や靴下の専門家の方にみて頂いたり、専用のソックスを履いてみたり…と、色々トライしてみました。

そんな中、専門家の方とのお話し中に、『そんなに毎日、ウォーキングされているのに、正しい歩き方をしていないから、もったいないですねぇ!』と指摘されて、ハッとしました。私は、平日は出勤前後に7~8km、週末は朝晩で10kmくらい、ウォーキングをしているのですが、脚と足の使い方が間違っているため、期待するほどの健康&美容の効果が出ていないと言うのです。ショック!

しかし、考えてみれば、外反母趾がひどくなって来てから(親指のつけ根の角度が、より大きくなってきたころ)は、ひざから下はあまり変化はありませんが、ひざから上、つまりは太ももが少しずつ太くなってきたような…それに、外反母趾がひどい方の、歩行中の足の運びが、注意して見ると、真っ直ぐにすっと出来ていない気がします。外反母趾の痛みをかばうために、無意識にそのような歩き方になってしまったのか、それとも、偏った歩き方をしているせいで、外反母趾がひどくなってしまったのか…これこそ、まさに鶏が先か卵が先か、といったところです。

では、どのような歩き方が、外反母趾にとっての正しいフォームなのでしょうか?私がピンと来たのは、『間違いだらけのウォーキング 歩き方を変えれば痛みが取れる 木寺 英史著』で紹介されていた、『日本人らしい歩き方』という『順回転ナンバ型歩行』です。どのような歩き方なのか?を、ここで詳しく説明し始めると、語りつくせませんので、端折りますが、要するに、昔の日本人が、ごく自然に行なっていた歩行方法で、日本人の体型や骨格に合っているということなのです。

ウォーキングブームに乗って、アメリカなどからやってきたフォームは、大またで、ひざを伸ばしてかかとから着地し、ひじを軽く曲げて、前後に大きく振り、ウエストもねじって運動量を増やす、というものですよね?それに対して、順回転ナンバ型歩行は、骨盤をやや前傾させる姿勢から、骨盤のローリングを抑え(ウエストをねじらず)外また気味に足を運び、ひざはやや曲げて、かかとを踏むと同時に、ひざを抜きます。その時に、ひざの力が上手く抜けると、脚の動きと腕の動きがほぼ一致してきますが、肩が進行方向に向かって順回転し、同側の手足の動きが一致します。これが順回転ナンバ歩き。

しかしこれが、やってみると、なかなかに難しいのです。あ、同側の手足の動きが一致するとは言っても、緊張した小学一年生の運動会の行進のように、傍目から見て分かりやすい動きにはなりませんからご安心を!

私は、この歩き方をマスターするために、木寺先生の推奨するストレッチや『外旋立ち』を無理なくすっとできるようになるところから始め、完璧な順回転ナンバ型歩行には未だ到達できていないながらも、『外股気味に足を踏み出す』『立つ時も歩く時も、ひざを伸ばしきらずに、やや曲げる』『踏み出す脚の側の腰を前に出す』といったポイントポイントを取り入れて歩くように意識しました。

でも、意識している時には、なんとかナンバ型歩行らしく歩けても、気を抜いていると、すぐに普通の、今までどおりの歩き方になってしまうんですよね。長年にわたって身についた習慣、くせを修正していくのは、難しいものです。しかしながら、ナンバ歩行『的』に歩けている時は、心なしか歩行速度が上がっている気がしますし、問題の、外反母趾が重症な方の足の運びも、若干、矯正されているような気がします。足を地面に着けるときにも、ひざをやや曲げているお陰か、ひざや股関節への衝撃が、弱まっているようにも感じます。

もちろん、今までとはまったく異なる身体の使い方をしながら歩くわけですから、身体からのブーイングがあって当然ですよね。私の場合、ナンバ型歩行に取り組み始めてから2,3日後に、初めて違和感を覚えました。外反母趾が重症の方のひざが、歩いていると少し痛むのです。でも、ただの痛みとはちょっと違いました。表現が難しいのですが、今までは前後に真っ直ぐ出せていなかった脚を、ナンバ型歩行で矯正し始めたため、身体が「今までの動き方と違うじゃないか!」と怒っているような、そんな感じでした。何となく、普通の筋肉痛や腱などの痛みとは違っている印象を受けました。それから、やはり外反母趾が重症な方の足の母趾球の辺りにも、歩行中に時おり痛みが生じました。しかしこれも、矯正中の痛みと思えるくらいの程度ですので、今のところは、問題なさそうです。

…というわけで、私は、この歩き方、自然に身につくまで、もう暫く頑張ってみる事にしました!