外反母趾と爪のトラブル 巻き爪
私は、長い年月、巻き爪に悩まされてきました。外反母趾のあなたは、いかがですか?とは言っても、私は、巻き爪と外反母趾の因果関係なんて、深く考えたことはありませんでしたが…私の爪の状態は、皮膚科のお世話になるような深刻な症状ではなく、セルフケアで何とかなる程度でした。それでも時折、痛みが強まったり、爪が食い込んでしまった、爪の両わきの皮膚が赤くなったり、腫れてきたり、というような事は、何度もありました。
セルフケアの便利グッズも、購入して試したこともありました。テグスのようなしっかりとした糸に、スポンジが接着されており、そのスポンジを、テグスを引っ張りながら、食い込んでいる爪と皮膚の間に差し入れ、クッションの役目をさせるというものでした。こちらのグッズの効果は…歩いていると簡単に外れてしまい、それなら、と、寝る前に再度使用してみても、寝ている間にやはり外れてしまいましたので、たいして役には立ちませんでした…それにしては、お値段が高いと思え、完全なる失敗。こんな羽目になるのなら、最初から、小さくカットした化粧用などのコットンを、爪の食い込む部分に挟み込む、という簡単なケア(コットンパッキング法というそうです)で充分でした。
しかし、爪の形がアルファベットの『C』の文字のように、くるっと内側に巻き込んでしまったり、ホッチキスの針のようにほとんど直角に曲がって、皮膚に食い込んでしまったら、炎症や出血は必至でしょう。こうなってくると、呼び名も異なり、『陥入爪(かんにゅうそう)』になるようです。陥入爪が悪化すると、細菌感染してしまい、赤みや腫れにとどまらず、肉芽の形成まで怒ってしまう事があるそうです。そうすると、さらに爪が変形してしまい…という負のスパイラルに陥ってしまうことに。
では、どうして巻き爪や陥入爪になってしまうのでしょうか?主な原因は、1 爪を短く切ってしまう(深爪)ことによるもの。2 外からの圧迫(靴などによるもの)3 外反母趾などによる、足の変形の三つです。
1の深爪ですが、爪を短く切ってしまうと、爪の外側は内向きに伸びやすく、また、角を切り落としてしまう(バイアスカット)ことも、内向きに巻いてしまう原因になります。私も、意図的にではなく、何の気なしにバチン!と爪切りを使ってしまったところ、角がポロリと欠けてしまい、深爪&バイアスカットになってしまったことがあります。…伸びてきた爪は…見事、内向きでした!今では、足の爪を切る時は、必ず入浴後か、あるいは足湯をして、爪を十分に柔らかくしたところで、ニッパー式の爪切りを使い、細心の注意を払って、カットしています。爪の長さは、私は、親指に限って言えば、足指の皮膚よりも、2,3mmは長く伸ばしています。
2の外からの圧迫によるものですが、私は、どちらかといえば、靴よりも靴下、それもストッキングやタイツといった、締め付け感が強いものを履いた時に、巻き爪の痛みを感じやすかったように思います。あなたは、いかがですか?
そして、3の外反母趾などによる、足の変形ですが、外反母趾が進行して、親指の傾きの角度が強くなると、親指が外側に傾いてしまい、爪は、指の横からの圧力を受けやすくなってしまいます。そうすると、爪はだんだん変形してしまい、この場合は、ホッチキスの針のような形になりやすくなってしまいます。
…と、ここで、私のケースをお話したいと思います。私の巻き爪は、両方の親指に起こっていました。どうしてだろう?と思いつつも、セルフケアで、何とかしのいでいたある日、テレビ番組で、衝撃的な一言を耳にしたのです。『足の指に、ちゃんと圧力をかけてあげれば、巻き爪は治ってくる』と!!ええっ!と思いましたが、腑に落ちるところもありました。外反母趾で、親指の付け根が痛むようになってからの私は、もう10年以上、体重を、足裏の外側にかけて、立ったり歩いたりしていました。そうすると、巻き爪の起きてしまった親指には、ほとんど圧力がかかりませんよね。納得です。
それからは、意識して爪先立ちをしたり、歩く時も足指で地面をつかむイメージで、最終的には親指でしっかり蹴りだす、という事を続けてみました。すると、どうでしょう!本当に、巻き爪が良くなってきたのです。びっくりしました。「どんどん悪化したら、手術なんてことになるのかしら?」という悩みからもすっかり解放されましたよ。(現座は、手術を行う方がまれで、テーピング法、超弾性ワイヤー法、超弾性クリップ法といった、保存的治療が主流だということですので、ご安心を!これらの治療は、皮膚科で受けることができます。)余談ですが、もしも周りに寝たきりの方がいらしたら、巻き爪になっていないか、気を付けてあげて下さいね。寝たきり=足指に圧力がかかっていない生活ですから、爪が巻いてしまう可能性大、です。