【足にやさしい靴ベネビス 春靴 体験会&夏の新作発表会】に行ってみました。

【足にやさしい靴ベネビス 春靴 体験会&夏の新作発表会】に行ってみました。
benebis(ベネビス)は、通信販売の大手、ベルメゾン(株式会社 千趣会)の、靴のブランドです。『走れるパンプス』など、独自の路線を開拓してきたベネビスの、今春と今夏のコンセプトは、『all for comfort やっと出会えた履き心地』だそうです。コンフォート、ということは、足にやさしい、イコール外反母趾の私たちの足にもやさしいっていうこと!?

…という訳で、実際に行って、確かめて来ましたよ。百聞は一見に如かず、ですものね。
このイベントは、3月24日と25日の2日間に渡って、東京駅の目の前、丸の内oazo(オアゾ)の一階にあるoo広場(おおひろば)で開催されました。抜群の立地です。おおひろば、という名称とは裏腹に、小ぢんまりとしたスペースに、私が着いた時には、既にお客様が結構な数、来場していて、ためし履きの真っ最中でした。ためし履きをして、鏡(数が少ない印象でした)の前でチェックしている人や、気に入った一足を見つけて、スマホで撮影している人など、さまざまで、寒い日でしたが、熱気が伝わってきます。今回は展示と体験のみで、販売は行わないそうです。来場者は、二十代から四十代といったところでしょうか。靴がディスプレイされているスペースよりも、いくつかの椅子とテーブル(テーブルの上には、ベネビスのカタログが並べてあります)や、スツールが置いてあるスペースの方が広いようです。
用意されている靴は、棚に並んで展示されているのは150足ほどでしょうか。棚の下には、サイズ違いを揃えた靴箱が積まれています。春夏物ですので、カラフルで、目にも楽しいです。いくつかサンダルもありましたし、ブーティ的な靴もありましたが、メインはパンプスタイプ。コンフォートと銘打っているわりには、外反母趾用の靴やウォーキングシューズタイプは、見当たりませんでした。ちょっとがっかりです。帰宅して、あらためてカタログを見たら、普通に見えた靴たちも、実は足にやさしい高反発の素材を使用したクッション『ベネクッション』が使われていたり、足裏の動きに合わせてしなるソール『しなやかソール』が使われていたり、と、機能性に優れたものが沢山あったので、また別の意味でがっかりしました。ディスプレイにひと工夫して、その靴の『ウリ』の機能がひと目で分かるような表示があれば、もっと外反母趾やその他の足のトラブルで悩んでいる人たちを、惹きつけられるのに。もったいないです。
気を取り直して、色とりどりの靴を見て回ります。外反母趾でなければ、こんな靴が履けるのになぁ…と、いささか悲しい気分に陥りそうになりながらも、見て行きます。接客担当のスタッフさんは、6名前後いらしたでしょうか。積極的に声をかけてくるスタンスではなく、お客様の方から声をかければ、ただちに対応する、という距離感のようです。それならば…と、近くのスタッフの女性に、「シューフィッターさんは、今日はいらっしゃるのですか?」と、私から声をかけてみました。スタッフの方々は、どなたも感じが良く、笑顔が素敵です。
「はい!精鋭の(…と言い切れるところが素敵ですね。)シューフィッター1名がおります!」と、彼女が呼んできて下さったのは、若い男性のフィッターさん。もっと一目でシューフィッターさんだとわかるような目印を付けていて頂きたかったです。それから、会場内に、『シューフィッターがおります!足のお悩み、靴の選び方など、どんなことでもご相談下さい!』のような貼り紙をしておくとか…もっと言ってしまえば、シューフィッターさんは、複数名、スタンバイしていて欲しかったです。一人当たりに要する時間が、多く必要ですから…まぁ、とにかく、せっかく足を運んだのですから、シューフィッターさんと会えて良かったです。お話をしたときの印象からの推測ですが、今回のイベントのためだけに、他社から呼ばれた、雇われシューフィッターさんではなく、普段からベネビスの社員として、靴の開発に携わっている方のような気がしました。
さて、フィッターさんの、「何か足に問題がお有りですか?」との優しい問いかけに、待ってましたとばかり、外反母趾で痛みが有ること。今までに、何足靴を無駄にしたかわからないこと。今日履いている靴(他社の、外反母趾用のバレエシューズタイプのローヒール)も、外反母趾用だが、自分はワイズ(足囲)が狭いので、外反母趾用の木型の靴でも、甲の部分がパカパカして脱げやすいので、このようなゴム製のシューズストラップを別のお店で購入して、併用していること。ずいぶん昔に、シューフィッターさんに足を計測してもらったことがあり、その時には、自分のワイズはDかEと言われたこと。そして、単刀直入に、「この中に、私にも履ける靴は、ありますか?」と尋ねてみました。ややひるむフィッターさん。

私からの、私でも履ける靴はあるのか、という質問を受け、シューフィッターさんは「では、こちらの靴はいかがでしょうか?」と、案内してくれました。Dから4Eのワイズ展開と、足長21.5から26.0cmというサイズ展開から選べる、『エレガンスオブリークトウパンプス』でした。オブリークトウとは、足の指のライン、厚みに自然に沿う形状で、外反母趾の人にはお勧めのつま先のデザインだそうです。確かに、つま先のとんがったポインテッドトウよりは、足先の締め付けはなさそうです。ただし、あくまでもこれは、私の足指の形(日本人には一番多い、第一趾が一番長く、第二趾から第五趾にかけて順に短くなる、エジプト型と呼ばれるタイプ)から言えることであって、第二趾が一番長いギリシア型や、足指の長さがほぼ同じで、足先が四角く見えるスクエア型の人たちは、オブリークトウではしっくりこないかもしれませんね。
シューフィッターさんなので、足のサイズを測るところからスタートするのかしら?と、ちょっと期待してしまいましたが、さすがにそこまではしてもらえず、私のサイズとワイズの自己申告(サイズは24.5cm,ワイズはDかE)に基づき、まずはエナメル素材の24.5cmのワイズDから、ためし履きスタートです。靴と足とのフィット感を調べるために、足の甲に触れたフィッターさん、「本当ですね!外反母趾でいらっしゃるのに、ワイズがこんなに細いんですね!」とびっくり。「そうなんですよね。外反母趾イコール幅広の足、と思われがちなんですけど、私は開張足なので、地面に着いているときと、空中に持ち上げたときとでは、足幅が全然違うんです。一般的に、外反母趾用と言われている靴は、ほとんどが幅広に作られているので、私には大き過ぎて、履くと足が前すべりしてしまい、もっと痛むようになってしまうんです。」と言うと、「…そうなんですね。外反母趾用の靴は、3Eとか4Eといった幅広の方が良いのだと、頭から思い込んでいました。すごく勉強になります。」とフィッターさん。(おいおい、シューフィッターの資格試験に、私のような開張足のことは出題されないのか⁉…というか、こういう足に初めて出会った、という人でも、資格が取れるのか⁉)と内心非常に驚きましたが、一生懸命で勉強熱心なので、良しとしましょう。後で調べてみましたが、シューフィッターの資格には3段階のグレードが有り、『プライマリー(初級)、バチェラー(上級)、マスター(修士)』となっています。それぞれのグレードによって、胸章の色も白色、金色、黒色と変わるそうですが、今となっては、私を応対して下さったフィッターさんの胸章の色は思い出せません。3段階有ると、初めから分かっていれば、ちゃんとチェックできたのに、残念です。
肝心の、エレガンスオブリークトウパンプスの履き心地ですが、なるほどオブリークトウは、靴の中でも足指を動かすことができて、なかなか良い感じです。
シューフィッターさんは、色々と細かい点をチェックして下さり、「24.5cmだと、つま先の捨て寸が若干多い気がします。24cmでも大丈夫な気がしますが…」と、24cmのDを持って来て下さいました。どれどれ、と履いてみると、甲が当たって痛みます。それでは、と、24cmのEを、更にためし履き。私としては、捨て寸が少な過ぎる印象で、立っている間は良いけれど、いざ歩くとなると、痛くなりそうな予感がしました。
また、素材もポイントで、私が履いてみたのは、履いていくうちに、少し伸びて、足に馴染んでいく、ということがほとんど期待できないエナメルでした。そうすると、やはり私にはサイズ24.5cmのワイズDの方が無難なようです。微妙な調節は、付属のストラップでできるのですが、このストラップが、実に優れものなのです。取り外してプレーンパンプスとして履けるのはもちろんのこと、靴底のループに通せば、甲ストラップに。かかとのループに通せば、足首に巻ける、アンクルストラップに早変わり!「これはすごいアイディアですね!素晴らしい!」と感動する私に、フィッターさんもにっこり。開発担当者に伝えます、とおっしゃっていました。
この、パンプスは、エナメル素材のグレージュと、エナメル素材の、ライトベージュと黒のバイカラー、そしてスムース素材の黒の3種類があります。これだけのサイズが揃って、機能も充実していて、税抜き6500円は、かなりお買い得だと思いました。わがままを言えば、外反母趾の足にやさしい、天然素材の皮革を使用して頂きたかったですが、そうすると、リーズナブルな価格は無理かもしれないですね。
最後に、カードに靴の名称と、私にお勧めのサイズをメモ書きした物を頂き、よくお礼を言って、会場を後にしました。その間、約30分でしたが、ためし履きをしたり、外反母趾について語ったり、とかなり充実した時を過ごせました。行って良かったです。